兵庫県姫路市網干区坂上の『禅宗 盛徳寺』ー子授、願い事は、北向地蔵尊へお気軽にお参りください。

歳時記
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歳時記

平成23年11月30日 ダイオウショウです。

この地域は元々きれいに紅葉もしませんが、特に今年の秋は暖かでしたので、寺の庭木も普通に枯れて散ってしまいました。

鮮やかな黄色の花を咲かせていたツワブキも萎れて刈り取ってしまったので殺風景な感じがしますが、松や樫などは変わらずに緑を保ってくれています。

「松樹、千年の翠(みどり)」という言葉は、そのまま仏法の普遍な様を例えたものでお寺ではよく好んで使われます。
江戸時代の盛徳寺もその松にあやかって、山号(さんごう)を「松嶽山」といいました。
別に盛徳寺は山にあるわけではありませんが、大昔にお寺を追われそれでも山川の自然の中で苦心して行を修めていた先人の思いを忘れない様にお寺を山に見立てるのだと教えてもらった覚えがあります。
お寺巡りをする機会がありましたらそんな事を念頭に寺名とは別に山号もご覧になれば違った面白さがあるかも分かりません。

因みに盛徳寺の山号は何度も変遷しています。江戸元禄期の中興時には「松嶽山」でしたが、暫くの無住時代を経て文政期に新しく住持を迎えた時は「瑞龍山」といいました。そして明治期に初めて尼僧の住職が入寺され再興されるのですが事情により心光庵を名乗らねばならず盛徳寺の寺名を忘れない様「盛徳山」とし、現在盛徳寺の寺名に復してからは再興時の恩を忘れない様にと「心光山」を号しています。(トップページ/門前由緒説明文参照

昔は盛徳寺には大きな黒松が何本かあり遠くからでもよく場所が分かったという事ですが、今では背の低い若い黒松数本と写真のダイオウショウが門を入った所に植わっているだけです。
アメリカ原産の松だそうですが、先々代の隠居さんがお宮の植木市で変わっているからと買ってきたものだそうです。見ての通り松葉が長く松の大王みたいなので「大王松」という事らしいです。
お参りの方に珍しい松ですねとよく言われるので、普通の松と違って松葉が3本あるんですよと落ち葉を拾ってお見せするといっそう驚かれて帰って行かれます。